あなたの文法リバーシと人生リバーシに共通する戸惑いの瞬間について、一つの見方を提案したい。
両リバーシともに、カードの文言については注意深く選んでいるものの、全ての配置において言葉がスムーズにつながりを見せるわけではない。目の前に壊れた書き言葉が並ぶことがあるのだ。そこで戸惑う代わりに、できることを考えてみよう。どうすればその後の時間を充実させることができるだろうか。
盤面に並ぶ壊れた文章。それを「意味の裂け目」が現れたと捉えたらどうだろう。意味が裂けている。避けているのだとすれば、そこから何かが噴き出してきそうじゃないか。あるいは、何か染み出してくるかもしれない。この想像の延長線上にあるのは、「書き言葉のつなぎ目が不十分なのであれば、口頭で補えば良い」というシンプルな解決策だ。
唇や舌を動かして、耳をすませ、目の前の光景に意識を手向けてみるといい。ひと言目の言葉があなたの口からこぼれたとき、目の前の人はどんな表情をするだろうか。表情がパッと明るくなったのなら、きっといい考えだと思ってくれたに違いない。そのとき、あなたは、続きをもっと継ぎ足したくなるだろう。でも、相手の表情が曇ったら、あなたは別のアイデアを探して、考えをぐるぐると巡らせることになるだろう。
最初は、カードを盤面に「配置する」ことに集中していたはずだ。つまり、「書く」ことに取り組み、自ずと言葉を「読む」という行為に取り組んでいた。しかし、意味の裂け目に気づいたあたりから、次第に「語る」という行為にシフトしていくことになるのだ。
さらに、その語る行為は「語り合う」へと発展し、これまで思いもよらなかったアイデアやつながりが形になり始めるだろう。もしかしたら、その場に居合わせたことの意味がたくさん見つかるかもしれない。
そんなわけで、リバーシの盤面に並んだカードの言葉がつながらなかったとしても、安心してほしい。そこにあなたを縛り付けるような正解は存在しない。意味の裂け目は、チャンスであり、自由への扉なのだ。その扉の向こうには、きっと新しい発見や可能性が待っているだろう。