千葉で児童英語講師をされているアシュールさんにお便りをいただき、伺ったお話をまとめました。
Q. アシュールさんが教えていらっしゃるお子さんたちは何歳ぐらいですか?
アシュール:自宅教室では、年中さんから中3まで、保育園で0歳児から年長さんまでを指導しています。
Q. 自宅教室はどんな教室ですか?
アシュール:自宅教室は英語教室ではありますが、「英語を使える人を育てる」が私の理念で、一番重点を置いているのがコミュニケーション力です。
Q. 「英語を使える人を育てる」。なぜこのような考えに至ったのかお聞かせいただけませんか?
アシュール:英語を使える人というのは、ただ英語が話せるのとは違うと考えています。英語が話せる人はたくさんいます。英語はあくまでも道具だと思うので、その道具をどのように使うかはその人次第です。どのように道具を使うかを考えられる人を育てたいのかもしれません。どんな方法で使ってもいいと思うのです。使い方は使い手によって変わる。私ができることは、英語という道具の紹介と簡単な機能説明です。英語に興味を持たせ、選択肢を見せ、楽しい思い出を作ることまでだと思っています。
Q. 「使える」の意味が、最初の印象と変わりました。手段としての英語を目的のために「使える」。
アシュール:アシュールと言う姓はパレスチナのものです。ガザ地区と言う紛争地帯に親族がおり、空爆の際は甥っ子から「助けて」とカタコトの英語でメールが届きました。カタコトでも彼の恐怖心が伝わってきましたし、その声を日本の友人に伝えることもできました。アラビア語ではなく英語だったから伝えられたのです。
Q. カタルタとの出会いは?
アシュール:きっかけは、子どもたちの(日本語での)会話力を高めるための教材を探していたことです。具体的には、感情を表す言葉カードを探していました。子どもたちは他人のことは見えるのに、自分の感情を表わす言葉のストックがないことに気づいたからです。
Q. どのバージョンをお持ちですか?
アシュール:「16、17、18(ストーリーテリング版、ライフ版、エモーション版)のセットを購入しました。
Q. どんな目的のために使っていますか?
アシュール:発想力や会話の瞬発力、想像力を養うため、そしてなによりも、言葉でのコミュニケーションを楽しむために使っています。
Q. 実際に使ってみていかがでしたか?
アシュール:思いのほか子どもたちの反応が良く、このゲームの持つ可能性に驚いています。正直言って余計なものがなにもないシンプルな内容とデザインで、これで子どもたちが楽しめるのか?と半信半疑でした。でも、予想以上に楽しんでいて、子どもの能力を甘く見てた自分を反省しました(笑)
小学生にはストーリーテリングが使いやすかったです。難しい言葉は説明をしながら使っています。そうすることで語彙力が増えると思うので。
中学生は定期試験対策がメインですが、レッスンの最初のアイスブレイクにカタルタを使います。中学生は部活などで疲れていて、そのまま勉強に入ると睡魔に襲われるので、先に目覚めさせます。カタルタは簡単で面白く、瞬発力も求められるので目覚めに最適です(笑)
一番使っているのは、英語の長文読解への準備です。言葉を楽しむこと=英語を楽しむだと信じているので。
Q. 「英語の長文読解への準備」ということは、スタンダードの英語版をお使いなのでしょうか?
アシュール:いいえ。国語の成績の悪い子は、英語の長文読解も苦手です。まずは日本語で接続詞とはなにか、どんなふうにストーリーが変化するのかをカタルタを使いながら体感させています。日本語は当たり前に使っているため、小さな言葉に対して意識せずに生きています。小さな言葉への意識を目覚めさせることが、英語で文章を読むことより大切だと思います。
たとえば国語が苦手で、英語の読解も苦手な中3男子がいますが、会話もぶっきらぼうだし、説明が少ないので彩りの悪い会話をする子です。その子にカタルタを使ったら、意外に面白い発想を持っている子だとわかりました。視覚優勢タイプの子は、耳からの情報を処理するのが苦手なようです。ですから、カードのような、視点を安定させるものがあり、なおかつそこに会話のヒントとなる語があるだけで、会話がスタートできるようです。
Q. 自分の考えを伝える機会にバリエーションが増えることで、本来持っている才能が自覚されて、よい方向に可能性が開かれたらよいですね。アシュールさんは「日本語を大切にした英語教室」の他にも紙芝居の会を運営されているそうですが、そこではカタルタをどのように活用されているのですか?
アシュール:<大人のための紙芝居cafe>では、ライフを自己紹介に、ストーリーテリングは参加者と1つのお話を作るというアクティビティに使わせていただきました。人との繋がりや対話が今後はとても大切になってきます。人に興味を持ち、相手を知ること。そのきっかけ作りに重宝しています。
(インタビューここまで)
丁寧にご回答いただきありがとうございました。
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